1997年12月25日に、浜松市は全国初の「オムニバスタウン」に指定されています。オムニバスタウン構想は、バス離れに歯止めを掛けることで交通事故削減や渋滞緩和を図るとともに、超低床バスの導入により高齢者や車いすの障害者の乗り降りに配慮されています。停車時のアイドリングを自動的に止める機能を備え、地球温暖化のもとになる二酸化炭素の削減を図ります。
「オムニバスタウン」とは…
自家用車にくらべ「ひと・まち・環境にやさしい」という、快適な交通・生活の実現を目指すまちの意です。
オムニバスタウンの主な役目
オムニバス(写真右)が走ります!人や環境にやさしい新機能を備えたバスを、
遠州鉄道では愛称「オムニバス」と名付けています。
※「オムニバス」とは乗合馬車の意です。
オムニバスは、お年寄りや体の不自由な方も乗降しやすい超低床ノンステップバスです。車椅子もご乗車いただけます。車内には、大きくて見やすい大型停留所名表示器と新型運賃表示器があります。
オムニバスには、情報発信機能があり、文字放送により様々なニュースや情報を発信します。
また、バス停の近くに駐輪場を整備しバスライドをすすめ、渋滞緩和のためにバスを利用しやすい環境をつくっています。
オムニバスは全てアイドリングストップバスです。信号待ちなどで停車した時には自動的にエンジンが止まります。公共交通であるバス自身も、空気を汚さない努力をしています。
道路の拡幅・交差点の改良・踏切の立体化などにより、交通渋滞を緩和します。バスもよりスムーズに走れるようになります。
車の利用者に時差出勤や公共交通機関の利用を呼びかけたり、バス専用レーン・バス優先レーンの時間を拡大したりして、交通渋滞を緩和します。また、浜松駅周辺の中心市街地ではトランジットモールなどの実施が検討されており、ひとが集まる活気のあるまちをつくります。
オムニバスタウンの特徴
超低床ノンステップバス
乗降口には階段がなく、地面から乗降口までの高さは約30センチメートルで、乗降時にはさらに7センチメートルも車高を低くできます。また、車椅子の乗降用にスロープ板を装備し、車内には車椅子1台分のスペースが確保されています。
大型停留所名表示器
バス車内に専用の文字表示器を設け、耳が不自由な方・お年寄りの方・後方の席の方に次の停留所名がわかりやすいように停留所名を大きく表示しています。
新型運賃表示器
従来のものに比べ運賃の表示を1.5倍大きくしています。停留所名も表示してしています。
情報発信機能
バス車内に専用の文字表示器を設け、ニュース・天気予報・交通安全週間の告知・浜松市の催しなどの情報・地震・津波情報をお客様に提供します。
サイクル&バスライド
家からバス停まで自転車を利用してバスへ乗り継げるように、バス停の近くに駐輪所を整備しています。バス利用者の利便を向上させるとともに、新たなバス利用を促進します。
アイドリングストップバス
信号待ちやお客様の乗降時など、バスが停車した際にエンジンを自動的に停止します。無駄な排気ガスや騒音を減らし、従来車両に比べて窒素酸化物排出量も10%程度削減出来ます。
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12写真1・2 日野自動車製のオムニバス、AT車初のアイドリングストップバス
写真3 三菱自動車製のオムニバス、こちらの方が主流
写真4 日野自動車製のオムニバス、やや小ぶりのボディ
写真5 いすゞ自動車製のオムニバス、AT車
写真6・7 日野自動車製のオムニバス、AT車、写真1・2のタイプの後継型
写真8〜12 三菱自動車製のオムニバス、ハイブリッド車バス専用レーン・優先レーン
平成10年4月現在、浜松市内のバス専用レーンは総延長5225メートル、バス優先レーンは総延長2200メートル。今後さらに延長をし、カラー舗装などをすすめていく予定です。
カラー舗装されたバス専用レーン
トランジットモール
「トランジット」は公共交通、「モール」は空間の意味。無駄な一般車の通行を制限し、バス・タクシーなど公共交通機関と歩行者の共存できる道路空間のこと。歩行者空間が多くなり、中心市街地の活性化を促進します。今年3月15日から3月28日まで駅周辺の繁華街の鍛冶町通りにてトランジットモールが実施されました。なお、ヨーロッパではトランジットモールが当たり前になっています。
地球環境にやさしいアイドリングストップバス
市街地を運行する路線バスは、渋滞・信号待ち・乗降中など、アイドリングしながら停車している時間が非常に多く、排気ガスにより大気汚染に影響を与えてきました。 現在は車両の停止・発進に合わせ、エンジンの自動停止や再スタートを行い、無駄な排気ガスや騒音を少なくしています。現在運行中のバスにおいて、アイドリングストップ中に音楽を流しています。
浜松市道路愛称整備事業
浜松市では、古くから親しまれてきた道の呼び名と異なり、国道、県道、市道などの名称はわかりにくくなっているのが現状です。各地域で親しまれてきた道の呼び名を愛称標識として設置し、地域の道をより親しみあるものに推進しています。この事業は平成12年度から路線や愛称名の選定など行っています。現在は25路線のうち22路線の愛称が決まっています。
最後に
日本は車社会が強いので、公共交通機関の良さを理解できていない人がまだ多いみたいです。ヨーロッパのようなトランジットモール実現やオムニバスタウンの拡大が今後の課題です。
2002年から浜松まちなかループ「く・る・る」が運行を始めました。